茨城県 E様 (ペルシャ絨毯：クリーニング、染み取り＆色付け、その他作業)

公開：2021/12/22　更新：2022/07/08

今回は限りなく元の状態へ近づけるメンテナンスの事例を紹介いたします。

依頼主のE様より「母から受け継いだ思い出の品ですので、修復ができる箇所は全て行いたい」とお問合せを頂きました。
形見として約６０年程、ご愛用している絨毯は日常的に日影干しや掃除機でお手入れをされておりましたが、耐久性に限界を感じてきたため、メンテナンス依頼に至ったとの事です。

精密に絨毯の検品作業を行い修復作業のご提案をさせて頂きました所・クリーニング作業・染み取り＆色付け作業・左右縁かがり交換・上下房交換・裏ベルト左右交換の合計６つの作業を承りました。

多くの損傷が長い歳月を物語っています。
角部分に強い損傷がありますが、このまま放置しますとほつれの原因となりますので注意が必要です。
縁かがり交換と房交換作業で修復可能ですのでクリーニングやシミ取り、色付け作業後にお直ししていきます。
千切れている裏ベルトは新しい物に交換し再度縫い付けます。
裏面ベルトの役割は湿気による歪みや反り防止の為、付属しておりますが切れたり外れますと効果は失われます。
日本は湿気大国ですので環境に慣れるまでは２～３年程付けておくのがベストです。

いかがでしょうか。限りなく元の状態に近い状態となりました。
左上部のひと際目立っていた赤い染み汚れは、元より無かったかのように完璧に落ち、房と裏ベルトの交換作業を行いましたのでいっそう美しく仕上がっています。
修復箇所が多いメンテナンスでしたので、作業日数や費用は容易なものではございませんが、亡きお母様と過ごした時のように修復された絨毯にE様も大変感激されておりました。